英語

並べる順序を変えてはいけない2つの単語【binomials】

ある程度英語が上達すると、みんな「もっと流暢に、もっとかっこよく英語を話したい!」って考えるようになります。

私もそうでした。今でもそうです。

そうなるために、何かできる努力はありますか?

もちろん!

と言っても、今回お話するのは「発音」のことではありません。

binomial のお話です。 binomial はネイティブスピーカーが日常的によく使う英語の修辞法です。蓋を開ければ誰もが「えっ、それって修辞法なの?」って思うくらい無意識に、ふつうに使われているレトリックです。

まずは余談:扉の開け閉め、あるいは踏んだり蹴ったり

蓋を開ける前にちょっと余談。

日本語をけっこう上手に話す外国人が言いました。

「僕は東京とサンフランシスコの間を来たり行ったりの生活なんだ。」
「扉の閉め開けはもっと静かにしてほしいな。」
「いやーまいった。蹴ったり踏んだりだよ。」

言ってることは分かります。通じます。でもちょっとヘンです。

日本語では「来たり行ったり」とは言わない。「行ったり来たり」です。
同様に、扉の「閉め開け」とは言わない。「開け閉め」です。
次も同じ。「蹴ったり踏んだり」ではなく、「踏んだり蹴ったり」です。

順番を入れ替えたところで意味は変わりませんが、「ちょっとヘン」です。目をつぶったら外国人と分からないほど流暢な日本語で言われても、いつも通りの並びでないと、不自然に聞こえてしまう。滑らかさがほんの少し、損なわれてしまう。

行ったり来たり。開けたり閉めたり。踏んだり蹴ったり。
降ったり止んだり。出たり入ったり。見たり聞いたり。

やっぱりこの順番じゃないとね。

閑話休題。

英語にもこういう種類の「鉄板表現」があります。

それが binomial です。

さて本題:並べる順序を変えてはいけない2つの単語

binomial を英和辞書で引くと、「二項式」とか「二命法による名称」という訳語が出てきます。個人的にまったく知らない単語なのですが、それぞれ数学分野、生物分野の専門用語ということです。

英文法とか言語学関係の定義は見当たりません。ちょっとおどろき。おかげで訳語が分かりません。カタカナで表記するなら「バイノミアル」です。

ちなみに「bi-」は「2」もしくは「2つ」を表す接頭辞です。例えば、bicycleは「(車輪が2つの)自転車」、binocularは「双眼鏡」、binaryは「二進法」、bilingualは「二カ国語の」、bilateralは「二国間の」です。数え上げれば文字通り、きりがありません。

英語の修辞法としてのbinomial は、同じような意味を持つ2つの単語、あるいは密接に関連する2つの単語を接続詞または前置詞でつないだものを言います。

例えば。

I don’t feel like cooking. Let’s go get some fish and chips.
「ご飯つくる気しなーい。フィッシュ&チップス買いに行こう」

2つの単語を入れ替えても大事にはならない。chips and fish とオーダーしても、fish and chips が出てきます。でもネイティブの耳には「ちょっとヘン」に聞こえるのです。

chips にかける salt and vinegar も同じです。vinegar and salt とは言わない。

食べ物関係はけっこうありますね。

food and drink, bread and butter, ham and eggs, gin and tonic などなど。

日常生活でも非常によく使います。例えば。

Ladies and gentlemen!
「紳士、淑女のみなさま!」

I’m sick and tired of listening to your complaints.
「君の不平不満にはうんざりだ」

She’s going to find out sooner or later, so you might as well tell her now.
「どうせバレるんだからさ、今言っちゃったほうがいいんじゃないの?」

I’m not at your beck and call!
「私があなたの言いなりだと思ったら大間違いよ!」

ビジネスでもよく使います。

It’ll take me 2 weeks, give or take a few days.
「数日前後するとしても、だいたい2週間で用意できます」

Your decision can make or break this project.
「このプロジェクトの成否は君の決定にかかっているんだ」

Tim’s presentation was excellent – short and sweet, just how I like it.
「ティムのプレゼンは見事だね。簡潔で要領を得ている。実に好ましい」

例を挙げればきりがありません。ちょっと調べてみると、え、これも binomial なの?っていう表現がごろごろ出てきます。

もっと知りたい人のためのリンク集

そこで。もっと binomials について知りたいなという人のために、いくつかリンクを集めてみました。全部英語なのでちょっと腰が引けるかもしれませんが、興味があったらぜひのぞいてみてください。

BBC Learning English – Binomials
binomials を解説する動画です。全編英語ですが、英語学習者向けのコンテンツなので無理なく聞き取れると思います。それに!とってもおもしろいので、ぜひお試しあれ。

ThoughtCo. – Binomials
こちらも英語ですが、ちょっとのぞいてみてください。事例がたくさん出ています。

Business Vocabulary: Understanding 11 Binomials Through a Business Story in English
実際にはこんな感じで使うんだよ。というのが分かる文献です。音声ファイルもあるので行ってみて!

まとめ

  • binomials は、同じような意味を持つ2つの単語、あるいは密接に関連する2つの単語を接続詞または前置詞でつないだものだよ!
  • binomials はリバーシブルじゃない! 順序をかえないでね。
  • binomials を正しく効果的に使うと、あなたの英語はもっと滑らかに、英語っぽい英語に聞こえるよ。

 

おつかれさまでした。読んでくれてありがとう。単語は正しく並べようね!